2025.07.14
小学生の通知表で本当に気にすべきこと
小学生の保護者の皆さん、お子さんの通知表を見るときに何を重視していますか?「オール◎じゃないとダメ」「他の子と比べて遅れていないか心配」そんな風に思っていませんか?
実は通知表で本当に大切なのは、数字や記号だけではありません。今回は教育の専門家として、通知表を見る際に気にすべき本当のポイントをお伝えします。
1. 成績の数字よりも「伸び」を見る
通知表で最も重要なのは、お子さんの成長の軌跡です。
× 悪い見方:「算数が〇で国語が◎だから、算数が苦手」 ○ 良い見方:「前回〇だった算数が◎になった!努力の成果が出ている」
小学生の時期は基礎を固める大切な時期。一時的な点数よりも、継続的な向上心と学習習慣が身についているかが重要です。
2. 「関心・意欲・態度」項目こそ重視する
多くの保護者が見落としがちなのが、この項目です。しかし、実はこれが最も重要な指標なのです。
なぜ重要なのか?
- 学習への姿勢が将来の学力を左右する
- 自発的に学ぶ力は一生の財産になる
- 困難に立ち向かう力の基礎となる
「知識・理解」の成績が良くても、「関心・意欲・態度」が低い場合は要注意。逆に知識面で課題があっても、意欲が高ければ必ず伸びていきます。
3. 先生からのコメントは宝の山
通知表の所見欄は、お子さんの学校生活の貴重な情報源です。
チェックポイント
- 友達との関わり方
- 授業中の様子
- 得意分野と苦手分野
- 成長した点
- 今後の課題
先生は毎日お子さんを見ているプロです。家庭では見えない一面を教えてくれる貴重な情報として活用しましょう。
4. 他の子と比較するのではなく、過去の自分と比較する
「隣の○○ちゃんはオール5なのに…」こんな比較は百害あって一利なし。
比較すべきは
- 3か月前の我が子
- 半年前の我が子
- 1年前の我が子
一人一人成長のペースは違います。お子さんなりの成長を認めて褒めることが、さらなる向上の原動力になります。
5. 苦手分野は「伸びしろ」として捉える
成績の悪い科目を見つけると、つい叱りたくなってしまいますが、これは逆効果です。
効果的なアプローチ
- 「どの部分が難しかった?」と具体的に聞く
- 一緒に解決策を考える
- 小さな改善も大いに褒める
- 必要に応じて学習方法を変える
苦手分野こそ、お子さんが大きく成長できるチャンスなのです。
6. 生活面の評価も忘れずに
学習面だけでなく、生活面の評価も重要です。
注目すべき項目
- 基本的な生活習慣
- 友達との協力
- 責任感
- 自主性
これらの力は、将来社会で活躍するための基盤となります。勉強ができても、生活面で課題があると将来困ることになります。
7. 通知表を親子のコミュニケーションツールに
通知表は親子で話し合う絶好の機会です。
おすすめの活用法
- 良かった点を一緒に喜ぶ
- 頑張ったことを具体的に褒める
- 次の目標を一緒に決める
- 困っていることがあれば相談に乗る
決して一方的に評価するのではなく、お子さんの気持ちを聞きながら進めることが大切です。
まとめ:通知表は「現在地」を知るためのツール
通知表は、お子さんの現在地を知り、今後の成長を支援するためのツールです。完璧な成績を求めるのではなく、お子さんの努力を認め、一緒に次のステップを考える材料として活用しましょう。
大切なのは、お子さんが「学ぶことは楽しい」「努力すれば必ず伸びる」と感じられる環境を作ることです。通知表を通じて、お子さんの自信と学習意欲を育てていきましょう。
お子さんの成長は数字だけでは測れません。温かい目で見守り、適切なサポートを続けることが、お子さんの可能性を最大限に引き出すことにつながります。

この記事を書いた人
猪股義人先生
知多半島出身で学生時代から塾講師を始めて以来、塾業界一筋。「児童・生徒さんや保護者様お一人ひとりに対して全力で向き合う」をモットーに、自分自身も一緒に成長していけるよう妥協せずに最善の道を見つけ出す。どんな些細な悩み事でもかまいません。お気軽にご相談ください。
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