2025.08.06
小学6年生で身につけるべき国語と算数の力
小学6年生は、小学校教育の集大成となる重要な学年です。中学校進学を控えた子どもたちが、この時期に確実に身につけておくべき国語と算数の基礎力について詳しく解説します。
国語で身につけるべき力
1. 読解力の完成
物語文の読解
- 登場人物の心情変化を場面の移り変わりとともに理解する
- 物語の主題や作者の意図を読み取る
- 表現技法(比喩、擬人法など)の効果を理解する
説明文・論説文の読解
- 文章の構成(序論・本論・結論)を把握する
- 筆者の主張と根拠を明確に区別する
- グラフや図表と本文の関係を理解する
- 要約する力を身につける
2. 語彙力の充実
漢字の習得
- 6年生配当漢字181字を含む、小学校で学ぶ1026字の完全習得
- 同音異義語、同訓異字の使い分け
- 熟語の構成パターンの理解
語彙の拡充
- 慣用句、ことわざ、四字熟語の理解と活用
- 敬語の正しい使い方
- 類義語・対義語の豊富な知識
3. 表現力の向上
作文・小論文
- 段落構成を意識した文章作成
- 具体例を挙げながら自分の考えを論理的に表現
- 体験文では臨場感のある描写力
発表・討論
- 相手に分かりやすく伝える話し方
- 根拠を示しながら自分の意見を述べる力
- 相手の意見を聞き、建設的に議論する姿勢
算数で身につけるべき力
1. 計算力の確実な定着
四則計算の習熟
- 整数、小数、分数の混合計算を正確かつ迅速に行う
- 計算の工夫(分配法則、結合法則の活用)
- 暗算力の向上(2桁×1桁、簡単な分数計算など)
文字式の導入
- □や○を使った式の理解
- 等号の意味の正しい理解
- 文字を使った簡単な関係の表現
2. 数量関係の理解
比と比例
- 比の意味と性質の理解
- 比例・反比例の関係の把握
- 比を使った問題解決
割合の完全理解
- 百分率、歩合の使い分け
- 割合を使った複雑な文章題の解決
- 資料やグラフから割合を読み取る力
3. 図形の理解と空間認識
平面図形
- 円の面積、扇形の面積の求め方
- 対称性(点対称・線対称)の理解
- 拡大図・縮図の作図と活用
立体図形
- 柱体・錐体の体積の求め方
- 見取り図、展開図の理解
- 立体の切断面の想像力
4. 問題解決力
論理的思考力
- 条件を整理して問題に取り組む姿勢
- 複数の解法を比較検討する力
- 答えの妥当性を検証する習慣
数学的な表現力
- 図や表、グラフを効果的に使う力
- 筋道立てて解答を説明する力
- 一般化・抽象化して考える力
両教科共通で大切な力
思考力・判断力・表現力
現代社会では、単に知識を覚えるだけでなく、それを活用して問題を解決する力が求められます。国語では文章を批判的に読み取る力、算数では数学的に考察し説明する力が重要です。
学習習慣の確立
- 毎日の家庭学習の定着(60分程度)
- 計画的な学習の進め方
- 分からないことを質問する積極性
- 間違いを恐れずチャレンジする姿勢
中学校進学に向けての準備
国語
中学校では古典学習が本格化し、より高度な文章読解が求められます。小学校段階で培った読解力と表現力が基礎となるため、確実な定着が不可欠です。
算数
中学校の数学では抽象的な概念が増加します。小学校で学ぶ計算力や数量関係の理解は、中学数学の土台となる重要な要素です。
まとめ
小学6年生で身につけるべき国語と算数の力は、単なる知識の暗記ではありません。考える力、表現する力、そして学び続ける姿勢を養うことが最も重要です。保護者の皆様には、お子様の成長を温かく見守りながら、適切なサポートをしていただければと思います。
これらの基礎力をしっかりと身につけることで、中学校での学習にスムーズに移行でき、生涯にわたって学習を続ける土台が完成します。

この記事を書いた人
猪股義人先生
知多半島出身で学生時代から塾講師を始めて以来、塾業界一筋。「児童・生徒さんや保護者様お一人ひとりに対して全力で向き合う」をモットーに、自分自身も一緒に成長していけるよう妥協せずに最善の道を見つけ出す。どんな些細な悩み事でもかまいません。お気軽にご相談ください。
▶この講師のブログへ