2026.10.06
白髪
この前、生徒に白髪を指摘された。
「先生、白髪あるじゃん。」
言われて、思わず自分の髪を触った。
……ある。
しかも、一本や二本ではない。
自分では見慣れてしまっているせいか、あまり気にしていなかったけれど、生徒からすると意外と目につくらしい。
「私も歳とったなぁ。」
そんなことを思いながら、少し白髪について調べてみた。
すると、なかなか面白いデータがあった。
白髪がある人の割合は30歳頃から増え始め、30代後半になると過半数に。
そして50代になると90%を超えるという。
つまり、白髪というのは、決して特別なものではない。
年齢を重ねれば、多くの人に訪れる自然な変化なのだ。
そもそも、なぜ髪は白くなるのか。
髪の色を作っているのは「メラニン色素」。
その色素を作る細胞の働きが、加齢などによって低下することで白髪になると言われている。
ちなみに、「強いストレスで一晩にして髪が真っ白になる」という話は、科学的には考えにくいそうだ。
そう考えると、私の白髪も突然現れたわけではない。
毎日の生活の中で、少しずつ歳を重ねてきた証なのだろう。
塾の仕事をしていると、時間の流れを生徒たちから感じることがある。
去年まで小学生だった子が中学生になり、
「先生、英語むずかしい!」と言っていた子が、いつの間にか高校受験の問題を解いている。
入塾した頃は緊張してほとんど話さなかった子が、今では教室に入ってくるなり、
「先生、聞いて!」
と、その日の出来事を話してくれる。
生徒たちは毎年、少しずつ大人になっていく。
そして、その成長を見ている私自身も、少しずつ歳を重ねている。
白髪は、そのことを教えてくれる小さなサインなのかもしれない。
若い頃は、「歳をとる」ということを、何となくマイナスに考えていた。
でも今は、少し違う。
歳を重ねるということは、経験が増えるということでもある。
嬉しいことも、失敗したことも、悔しかったことも。
生徒との出会いや別れも、その一つひとつが自分の中に積み重なっていく。
だから、白髪が増えることを、ただ「老い」と捉えるのは少し寂しい気がする。
その一本一本の白髪の向こう側には、これまで過ごしてきた時間がある。
そして、これからも私は生徒たちの前に立つ。
勉強を教えるだけではなく、時には悩みを聞き、時には叱り、時には一緒に笑う。
そんな先生であり続けたいと思う。
ただし、生徒に
「先生、白髪増えたね。」
と言われるたびに、
「これは経験値だよ。」
と開き直るのも、少し違う気がする。
やっぱり、先生だって見た目は大切だ。
生徒たちに「ちゃんとしている大人だな」と思ってもらえることも、仕事の一つだと思う。
だから、白髪を受け入れながらも、髪型には少し気を遣おう。
服装にも気を遣おう。
そして、いつまでも生徒たちの前では、少しだけ若々しくいたい。
白髪を見つけた生徒に笑われながら、
「先生もまだまだ頑張らないとな。」
そんなことを思った、ある日の出来事でした。
少なくても少しばかりはお洒落で清潔な先生でいようと思う。
この記事を書いた人
川崎健太先生
兵庫県出身。情に厚く、生徒に真正面からぶちあたって、ともに泣きともに笑いあう兄貴分気質。わかりやすくおもしろい関西弁の集団授業で生徒たちから好評を得ている。
大学時代はアメフト部に所属し、留学の経験もあり、実はサックスの演奏ができるなど、文武両道、多彩な一面もある。
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