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diary

「挿絵」の思ひでと文章読解

「お宅のお子さんは、文章の読み取りが苦手です。特に物語の読み取りはからきしダメです。」
母が、小学校の懇談会で先生から言われたそうです。今でも覚えている、と。
(そんなグサッとくる言い方しなくてもいいのに。とは、思いますが)

先生からも、色々とアドバイスはいただいたようです。
しかし、母曰く、
「あれや、これやと試してみたけど、どれもアカンかったわ(笑)」
とのこと。
確かに、一時期すごく国語の勉強をさせられた記憶があります。
そういうことだったのね。

ところがその後、ある時を境に国語の点数が飛躍的に良くなるという経験をしました。
きっかけは、何故か放り込まれた『絵画教室』でのレッスン。
(わたしの絵はすごいですよ。現代人にはまだ良さがわからないようですが、きっと後世で評価されるハズです。自分ではそう信じています。)

少し変わった絵画教室で、先生の自宅内に画廊があり、画廊なのにどデカい本棚と大量の本があるんです。
確か、美術系の本から科学の本、歴史小説から児童書まで、幅広いジャンルの本が乱雑に突っ込まれていました。
そしてレッスンに行くと、毎回まず本を読まされます。児童向けの物語が多かったかな?(「ごんぎつね」とか。)
でも、児童向けなのに、挿絵が全く入っていない本でした。
挿絵がある本でも、絵の部分だけ黒く塗りつぶされていました。

ある程度読み進めると、先生から
「このページの挿絵を描いて。」
と、指示が来ます。

わけがわからず、最初はテキトーに描いて持っていくのですが、、、
先生は表情一つ変えず、一目見て一蹴。書き直し。
その後、何度も描いては却下、描いては却下……正直、何回も泣きました。

しかし却下の後、先生からは必ず
「なんでこの人物は、こんな表情をしているの?」
「なんで背景の色はこの色なの?」
……
と、文章に書かれている内容と不一致な箇所を指摘されていました。

なるほど。
子ども心に、気づかされました。
文章を隅々までしっかり読まなきゃだめなんだ!
周りの様子や人物の姿、その表情や行動、気持ちまでしっかり想像して書かなきゃダメなんだ!!
(じゃないとお家に帰してくれないんだ!!!←そこ?)

今、大人になって振り返ると当然。
『場面(いつ・どこ・だれ・なに・どのよう)』や『人物と心情』
物語読解の鉄則を全く無視して読んでいたのです。
そりゃ挿絵はおろか、読み取りができないことも納得です。

後から聞いた話ですが、その先生は小説の執筆や国語の専門塾もされていた方でした。
普段は普通の絵画教室だけど、国語が苦手な子どもを集めて、ある曜日のある時間帯だけは、そういうレッスンをしていたそうです。
そこへ、困り果てた母が、すがる思いで相談しに行った、と。
おかげで、知らぬ間に読解の「いろは」を身につけることができました。多謝。

勉強ではないけど、学力アップにつながる経験。
他にもたくさんあると思います。
もし、他にもそういったご経験のある方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。

井元厚志先生

この記事を書いた人

井元厚志先生

知多市出身。15年を超えるベテラン講師。専門は英語だが、文・理問わず指導可能。「ご家庭の最強・最良パートナーであれ!」がモットー。大学時代にイギリス留学と現地の小学校で職員をしていた経験あり。伊豆半島をこよなく愛しており、いつか移住する野望を持っている。
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