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diary

ベスト8の試合をプレイバック②

 無敵艦隊が土壇場で意地を見せる。
正直この試合は退屈になるかもしれないと思っていた。スペインの安定感はここまで異常だった。W杯6試合連続無失点かつ直近35試合無敗。相手のベルギーも攻撃力は魅力的だけど、格の違いで一方的な展開になるんじゃないか?そんな予想をキックオフ前は勝手に立てていた。

会場はロサンゼルス。蓋を開けてみれば、そんな予想は序盤からいい意味で裏切られることになる。立ち上がりから主導権を握ったのはやはりスペインだった。右サイドのペドロ・ポロとラミン・ヤマルのコンビが何度もベルギー守備陣を切り裂く。13分にはバエナが際どいシュート、21分にはヤマルが強烈な一撃。決定機は作れているのに決めきれないというあの妙な緊張感が続いた。
均衡が破れたのは30分。ポロのクロスにダニ・オルモが合わせ、一度はクルトワに阻まれたものの、こぼれ球にファビアン・ルイスが詰めて先制。理想的な形での先制点だった。「このままスペインが押し切るんだろうな」と思っていた矢先の41分、ベルギーがまさかの反撃を見せる。カスターニュのクロスにシャルル・デ・ケテラーレが頭で合わせ、あっさり同点。W杯6試合無失点だったスペインの壁が、今大会初めて崩れた瞬間だった。「ああ、赤い悪魔はやっぱり黙ってないんだな」と少し嬉しくなったのを覚えている。

1-1で折り返した後半も、スペインがボールを握る展開は変わらなかった。ただヤマルが二人がかりで抑え込まれるなど、なかなか決定打が出ない。焦れったい時間が続くうち、ベルギーにアクシデントが起きる。好セーブを連発していたGKクルトワが66分に座り込み、71分に交代。ここでリズムが変わった気がした。

そして迎えた88分。パウ・クバルシが遠目から放ったミドルシュートを途中出場だった控えGKラメンスが弾ききれず、そのこぼれ球に同じく途中出場のミケル・メリーノが詰めて勝ち越し。ラウンド16のポルトガル戦に続いて、またも途中出場から終盤の決勝弾。「この男、こういう仕事をする選手なんだな」と正直感心してしまった。

終了間際にはベルギーも意地を見せる。90+2分サレマーカーズが持ち込んだクロスにルカクが合わせようとするも、エメリク・ラポルトが体を張ったクリアで防ぎきった。あのラポルトのガッツポーズを見て、こっちまで安堵してしまった。

試合はそのまま終了。スペイン2-1ベルギー。派手さこそなかったけれど、実力が拮抗した強豪同士の、最後まで目が離せない90分だった。

これでスペインは、優勝した2010年大会以来16年ぶりのベスト4進出。無敵艦隊の看板にようやく数字が追いついてきた感じがする。準決勝の相手はフランス。ここまで危なげない勝ち上がりを見せている王者相手に今度は無失点で乗り切れるかどうかが焦点になりそうだ。

ベルギーは敗れはしたけれど、クルトワの負傷交代という不運もありながら最後まで食らいついた戦いぶりは十分に評価されていいと思う。デ・ケテラーレの同点弾もドクの推進力も次の世代につながる収穫として悪くなかったはずだ。

これで準々決勝も残すところ2試合。ノルウェー対イングランド、アルゼンチン対スイス。今大会の準々決勝はどのカードも接戦続きだから、次もまたこういう最後まで分からない試合になる予感がしている。

猪股義人先生

この記事を書いた人

猪股義人先生

知多半島出身で学生時代から塾講師を始めて以来、塾業界一筋。「児童・生徒さんや保護者様お一人ひとりに対して全力で向き合う」をモットーに、自分自身も一緒に成長していけるよう妥協せずに最善の道を見つけ出す。どんな些細な悩み事でもかまいません。お気軽にご相談ください。
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